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シンガポールで感じる、華人社会の影響力

(総合PR会社のプラップジャパンさんに記事提供頂いています)

はじめまして、プラップジャパン海外事業部の谷です。2017年よりシンガポール拠点の立ち上げメンバーとしてシンガポールに駐在をしています。

日本では、邦題が「クレイジー・リッチ!」となったように、「アジア人(Asians)」ではなく「豪華絢爛な生活っぷり」に焦点があたりがちのようですが、東南アジアという中華圏で広報やマーケティングの仕事をする人間として、この映画の最大の焦点は、この「アジア人」の中でも「華人(移住先の国籍を取得した中国系住民)」だと感じました。

さて、皆さんはシンガポールを舞台に撮影されたCrazy Rich Asiansという映画をご存知でしょうか。25年ぶりに主要キャストが全員アジア人のハリウッド映画ということで注目を集め、Times誌の表紙をヒロインのConstance Wuが飾り、アメリカでカリスマ的人気を集めるトーク番組「TheEllenShow」や深夜の大人気バラエティ「Late Late Show」にもキャストが出演したことで、話題になりました。今回は、この映画の話題を通じて、東南アジアで強い影響力を持つ、華人について記したいと思います。

東南アジアにおいて、華人を切り離して考えることはできません。シンガポールでは約74%、マレーシアでは約23%、のインドネシアでは約3%が華人と言われており、各国特色は違いますが、シンガポールの建国の父と言われる初代シンガポール首相も華人ですし、インドネシアではこの、華人の3%が、インドネシアの7割の経済を回しているといわれ、強い影響力があります。

また、国は違えど、中華圏ネットワークは強くて狭く、映画の中でも、ある酒場での会話が、このネットワークを通してあっという間に話がアジア中に伝達されてしまう、というシーンがあります。私の周りでも、中国系シンガポール人やマレーシア人の友人と話をしていると、親戚が違う東南アジアの国に住んでいたり、友人の結婚式に違う国まで出席しに出掛けたりすることは日常で、まったく珍しいことではありません。

この映画はニューヨークで生まれ育った中国系アメリカ人女性とシンガポールの裕福な家系で生まれ育った中国系シンガポール人男性カップルのお話なのですが、ルーツは同じ中国人といえど、考え方や価値観の違いがはっきりと現れているのも特徴的でした。アメリカで育った中国人は、アメリカ人でしかなく、個人の夢を追求し、情熱的であると揶揄され、America Born Chinese (=通称ABC)と呼ばれ、はっきりと区別されていました。一方で裕福な華人は、時には自分を犠牲にしてでも、伝統を守ることが重要である価値観をはっきりと示していました。

今回は映画に沿って、東南アジアにおける一握りの超裕福な華人に焦点をあてましたが、映画に出てきたような家庭もしくは一族は、一握りのシンガポール華人の話でしかありません。例えば清掃員、タクシー運転手、屋台(ホーカー)で働く華人ももちろん多く見かけます。

このように、東南アジアの広報活動においては、華人だけなく、様々な民族、宗教、タブー等に配慮する必要があります。もちろん、マーケティングをする上ではそういったことが、思わぬ「落とし穴」となることも多いですが、一方で、そのインサイトを捉えれば、上手く「追い風」とすることも出来ると思います。

(引用)https://www.prap.co.jp/global_blog/2019/p-58/

「クレイジー・リッチ!」:生粋のニューヨーカー、レイチェル・チュウ(コンスタンス・ウー)は、長年の恋人ニック・ヤン(ヘンリー・ゴールディング)が親友の結婚式に出席するというので、一緒にシンガポールへ向かう。初めてのアジア旅行に胸を躍らせながらも、それまでニックが家族の話を避けているように感じていたレイチェルは、彼の家族に会うことにとても緊張していた。出発当日、空港で案内された先はファーストクラス……なんとニックは、かの国でもとりわけ裕福な一族の御曹司であるだけでなく、社交界の女性たちから超人気の独身男のひとりでもあったのだ。そんなニックの恋人として現れたレイチェルには、嫉妬深いお嬢さまたちからのキツーい視線が突き刺さる。さらに悪いことに、ふたりの交際をよく思わないニックの母親(ミシェル・ヨー)が仲を裂こうと画策し始める。そんななか明らかになってくるのは、お金で愛は買えないが、お金の存在は物事を断然複雑にするということだった…。(映画「クレイジー・リッチ!」公式HPより引用)

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